国境を越えて、チェコのスタルキーという村にレンカさんとオタカさんご夫妻に3年振りに会いに行きました。お二人とも長岡先生がオーストリアのゲーラス修道院で版画ワークショップをしていた頃からの長い知り合いです。お二人は60年代の「プラハの春」でチェコを追われ、ウィーンに移住された方々です。
ウィーンにも住居がありながら、この村の教会の裏手にある僧侶が住んでいた崩れかけた家を改装して、現在は予約のみのレストランとペンションを経営されています。庭にはオープンエアーギャラリーとして彫刻や絵画が飾ってあり、年一度夏にチェコやオーストリアのアーティストが参加し、展覧会をするのだそうです。ご主人のオタカさんは元スキーなどの工業デザイナーで現在は写真作品もつくられており、料理の上手な妻のレンカさんの力強い作品も観ることができました。室内にはチェコなどの骨董品が沢山飾ってあり目を楽しませていただきました。
冷戦時代、この国境地帯は「鉄のカーテン」といわれた鉄条網がひかれ、あちこちにトーチカといわれる強固なセメントで固められた機関銃を打つ場所が現在でも見かけられますが、その周りは緑の木々が育っています。今のチェコはEUの参加国で平和です。
なだらかな丘が続く風景が素晴らしく、サイクリングするには最高のロケーションです。
道路の両脇には誰でも自由に穫れるたわわに実ったリンゴや梨の街路樹が続いていました。